多数の猿がその本尊である山王神をたたえ、祝っているという大変珍しい庚申供養塔です。花崗岩で造られ、総高143cm、塔身高86cm、幅42cmです。建立された年も寄進した人も刻まれていませんが、江戸時代後期のものと思われます。
基壇は岩座のように造られ、塔身の基座には蛇が巻き付いているように作り出されているのは、弁財天信仰にちなんだものです。
塔身の四面には合計36匹の神猿がそれぞれ異なった姿態で山王神の神徳に奉賽しているという構図です。
猿は古くから日枝山王神社の使者として知られています。
「新編相模風土記稿」には、下之宮(現 辺津宮)の絵馬堂の近くに山王神社がまつられていたようですが、それに奉納する意味でこの庚申供養塔は建てられたのでしょう。
「群猿奉賽像庚申塔」の表示説明文より引用
御岩屋道通りの奥津宮に向かって左側にあります。奥津宮も、もう少しで到着です。